『ファイナルファンタジーXV』はクリスタルを取り戻しに行く物語
『FFXV』はあくまで壮大な物語の一編
――E3 2013で公開された最新映像はいろいろな意味で衝撃的でしたが、まずタイトルが変更された点についてお聞かせください。
『ファブラ ノヴァ クリスタリス』のプロジェクト発表(2006年)から、2年後くらいには会社から、『FFXV』と改名しての開発をすすめられ、それ以降『ヴェルサス』で通すか『FFXV』に変更するかの検討が続いていたんです。
――野村さんとしてはどちら寄りの考えだったのでしょうか?
最初は複雑でしたが、ありがたい話ではあると思いました。ナンバリングにするからといって内容の変更はしなくてもいいとも言われたので、2年ほど前から『FFXV』として情報公開のタイミングを話し合ってきました。
また、『FFXIII』関連はすでに3作目も発表されていて、ライトニングのイメージが定着しています。それでも、中には『FFヴェルサスXIII』のPVを観たうえで、それが『FFXIII-2』だと勘違いされている方もいます。そういった混乱を避けたい意味もありました。
それと、対応機種が変わったからタイトルを変更したと思われる方もいるかもしれませんが、それらは付随する問題ではありません。
――『FFXV』は、作品の位置づけとしてどういう扱いになるのでしょうか?
『FFXIII』シリーズからは離れましたが、神話を共有する『ファブラ ノヴァ クリスタリス』シリーズの1つであることには変わりません。
――本作の全体像はすでに固まっているのでしょうか?
先にお話しておかなければならないのですが、この1作でノクトたちの物語は終わらないんです。一旦の区切りは当然迎えることになりますが。
――『FFXIII-2』のような続編モノになるということですか?
詳細まではまだお話できませんが、PVの最後には「これは壮大な叙事詩の一編である」という意味の言葉があります。物語を分けた理由については、クオリティを維持したまま『FF』らしさを感じさせるボリュームを保持しようとすると、何かしらの手段は必要になります。どういう形であれ、『FFXV』を楽しんでもらえる着地点を考えますので、続報をお待ちください。
――気の早い話ですが、1作目からのスパンも気になるところですが?
期間をそんなに空けるわけにはいかないので、『FFXV』の制作と並行して着手することになると思います。また、それを待つだけにならないように、それまで『FFXV』自体を継続して遊んでいただける要素は検討しています。
それで、次世代機に移行することになったわけですね。
数年前に次世代機の話があった時に、メインプログラマーに聞いてみたんです。今からでも開発を次世代機に対応させることは可能なのかと。そうしたら「そう言われると思って、すでに仕込んであります」と答えられたんです(笑)。
会社の中でも方針が固まってきたので、約1年前から現行機での開発はストップし、完全に次世代機メインに移行しました。ちょうどそのころにボリューム分割も検討することになり、それに合わせてオンラインへの対応も視野に入れることになりました。
――オンライン対応というのは具体的にどういったことでしょうか?
Co-opなどのマルチプレイを含め、検討している機能はいくつかあります。できればスマートフォンやタブレット端末などともリンクして、発売前後でも長く遊べるような要素は考えたいですね。
現在はそうです。『FFXV』の開発にはDirectX 11を活用し、これまでの“ハードに合わせた作り方”から大きく変わっています。従来ですと、どうしてもゲーム作りが対応ハードの性能に左右されがちで、その後の汎用性も低かったんです。現在は、開発はハードを超えた環境で行い、そこから各ハードにポーティング(移植)するという手法を取っています。これなら今後対応できるハードが登場したら柔軟に対応できますし、マルチプラットフォームの際に片方のハードの性能を考慮する心配もありません。
――開発環境がより高度なものになったことで、リアルタイム映像とプリレンダリング映像の差が、あまり感じられないほどになっていますね。
そうなんです。『FFXV』では極力操作のない場面を減らしてはいますが、逆にプレイヤー側の操作が不要なカットシーンはすべてプリレンダの映像にしたいくらいです。でも、それはそれで大変なので、『FFXV』は場面によっては最初に野末らビジュアルワークスがひな形を作り、それをリアルタイムなものに落とし込んでいます。
バトルに関しては、どのような点にこだわっていますか?
爽快感とリアリティの両立でしょうか。アクション的な爽快感を突き詰めていくと、自然とリアルな動きからはかけ離れていきます。逆に、完全にリアルな動きにするとアクションとして地味でおもしろみが感じづらいものになるため、そこのさじ加減は難しいですね。
『キングダム ハーツ』とは違って『FFXV』はリアル志向の作品なので、例えば攻撃を受けた際の対空時間や、ヒット時の重みがある武器のモーションなど、リアル過ぎてもゲーム性にかかわる部分のバランスが難しいと思います。
――映像には巨大なリヴァイアサンを確認できますが、魔法や召喚獣の登場は?
『FFXV』にも魔法や召喚獣は存在します。PVでもノクトがファイアの魔法を使っていたり、巨大なリヴァイアサンとの戦闘が行われていたりしています。今回の召喚は系統別に分かれていて、その系統内にランクが存在しています。
映像に登場したリヴァイアサンは同系統の召喚獣の中でも最上位の存在なので、実際にあの巨大なサイズの召喚獣をそのまま呼び出せるというわけではありません(笑)。召喚獣は、昔の『FF』のように、戦って倒すことで呼び出すことができるようになります。
http://news.dengeki.com/elem/000/000/661/661227/
ふぅむ…楽しみだな