パリ同時テロ事件で140名以上が死亡 第2次世界大戦以来の外出禁止令・国境封鎖状態




<現在までの情報>
・パリ中心部のコンサートホールで犯人グループの一部が立てこもり
人質は100名以上、犯人グループは報道社に対して「人質を徐々に殺していく」と宣言
(人質になっていた80名余が殺害されたとの速報が入りました)
パリで複数の銃撃や爆発、100人超死亡 人質事件も
http://www.asahi.com/articles/ASHCG2BW6HCGUHBI00D.html
(記事によると)
フランス・パリで13日夜(日本時間14日早朝)、複数の場所で銃撃や爆発があった。AFP通信によると、中心部のコンサートホールで立てこもりがあり、少なくとも100人が死亡した。近くのレストランやカフェでも銃撃があったほか、北に10キロ離れた、独仏の国際試合が開かれていたサッカー場近くでも爆発があった。
(※パリ当局が先ほど発表した情報では140名の死亡が確認されたとのこと)
オランド仏大統領は事件を受け、国境を封鎖した上で非常事態を宣言した。ロイター通信などによると、銃撃を行った者のうち数人はその場で自爆したという。
テロリズムとメディア報道 ~英米におけるテロ報道に関する制度の考察
http://nihon-u-gs.jp/journalism/article/321/(記事によると)
■メディアとテロリズムの「共生関係」
アメリカのランド研究所で長年テロリズム研究を行ってきた第一人者の一人であるブライアン・ジェンキンスが論文の中で「テロリズムは劇場である」(Jenkins,1975)と表現したのはすでに1975 年のことであった。テロリズムとは、テロリストの設定した劇場の中で「観衆=オーディエンス」を巻き込んで展開されるショーであり、それがメディアによって外部に中継されることでより幅広い「視聴者=オーディエンス」を得る構造は現在も変わっていない。
■アメリカの自主規制モデル
アメリカにおけるメディアの取材活動や報道はいくつかの法律による規制以外は原則自由である。2001 年の米同時多発テロ事件では、直後の10 月にアルカイダがオサマ・ビン・ラディンの声明ビデオを発表した。そのビデオが全米のテレビニュースによって放送された。その際、当時のブッシュ政権のコンドリーザ・ライス国家安全保障担当大統領補佐官が主要テレビ局に対して、アルカイダの声明を放送することを自粛要請した。NBC,CBS,ABC,FOX,CNN の主要5局に対する電話要請であった。これは検閲や報道規制ではなく、あくまでも要請であって対応はテレビ局側に委ねられているという論理である。またブッシュ政権は、アシュクロフト司法長官によるメモランダム(指示書)によって、連邦政府機関に対して、「情報自由法(Freedom of Information Act)」に基づいた情報開示請求があってもなるべく情報開示しない方針を指示した(福田,2010)。
この情報自由法はには9つの例外規定があり、一番目の例外規定が、大統領によって定められた国防、外交政策における機密と指定されている。「国家の安全が許す限りにおいて」自由とする原則である。また同様に、議事公開法においても公開例外条項がある。他にも、アメリカには国家機密の保護を規定し、外国による諜報活動を禁止した「防諜法(Espionage Act)」や、CIA などの工作員に関する情報を保護する諜報員身元保護法などによって、メディア報道の自由と抵触する法規制が存在する。
■日本はどうあるべきか
政府とメディアの関係について、シュミッドの3類型でいうところの②政府とメディアの調整に該当するイギリス的な協調・調整型、③メディア内部の自主規制に該当するアメリカ的な対立・克服型のいずれかが、先進国における政府とメディアの関係の代表例であるが、日本のテロ報道、戦争報道のあり方はまだ全く定まっていない。日本にはイギリスのDA ノーティスのような制度も構築されていないし、かといってアメリカのような自主規制のガイドラインにおいてテロリズムや戦争に関する報道の項目が詳細に構築されているわけでもない。日本のメディア報道は、テロリズムの問題が発生する度に場当たり的に対応してきただけである。日本のメディア、ジャーナリズムはイギリス型を目指すのか、アメリカ型を目指すのか、または第三の道を探るのか、その議論をこれから始めなくてはならない。
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